Travel Notes 14
北欧のベニスと称される水の都ストックホルム、北欧最大の都市だ。

 正式国名 スウェーデン王国
 面積    日本の約1.2倍
 人口     894万人
 首都    ストックホルム。人口76万人
 言語    スウェーデン語
 通貨    スウェーデンクローナ 略号SEK


国際列車の罠

コペンハーゲンからストックホルムまではどうやら一本ではないらしい。

時刻表にはX2000で一本のように書いてあるが、駅のお姉さんには
国境の町、スウェーデンのマルメで乗り換えて、そう言われた。

ホームで待っていると定刻どおりにデンマーク国鉄の列車が入って来る。
ホームナンバー、チケットを見て間違いの無いことを確認すると
重いザックを背負った僕は列車に乗りこんだ。

 車掌が全員乗り込んだことを確認するとドアを閉める。
列車がゆっくりと動き出した。

マルメまでは席を予約してない、自由席だ。
適当にザックを置いて席に座ると、しばらく窓の外の景色を眺めていた。
ふと車内に目をやると車両連結部の電光掲示板が目に入る。


            ”to Helsingor”


 ん!?この列車の行き先は”Malmoマルメ”じゃないのか?
それとも途中の駅がHelsingorヘルシングーアなのか?焦ってガイドブックを
開く、ありゃ!?ヘルシングーアとマルメじゃまるっきり方向が違うじゃん!!

 どういうことだ?列車間違えたか?ピーンチ!!
同じ車両に日本人らしき女性2人組が乗っていたので確認する。
「この列車、マルメ行きですよね?」すると彼女達はビックリした顔して

「いえ、ヘルシングーア行きですよ!!」

 !!!なんてこったい!!乗り間違えた、ニッタよスマヌ・・・
お兄ちゃん間に合わなかったよ・・・、見ず知らずの国で一人泣いて
おくれ・・・あぁパトラッシュ、なんだかボク眠いや・・・。


 ふらふらとしながら車掌にチケット見せた、
”へへっ、おやっさん、この列車は違うのかい?”
すると車掌はついてこいと言って歩き出した。

車両を2つ渡って3つ目の車両でキミの列車はここだよ、そう言ってくれた。
なるほど、ヘルシングーア行きの列車とマルメ行きの列車が連結
されてたわけだ。

列車は次の駅に着くと、ヘルシングーア行きの車両を切り離した。
うぉ〜ドラゴン危機一髪!!危ないとこだった、英語もしゃべれない
海外なんて行った事ない、おまけに小心者のニッタを一人、遠い異国
の地に置き去りにするところだった・・・。

列車はデンマークとスウェーデンを結ぶオーレスン大橋(全長15キロ!!)
を渡り30分ほどで、国境の町、マルメに到着した。


X2000

スウェーデン国鉄自慢のX2000、速度は200Km/h

スウェーデンの首都ストックホルムには、ここマルメからスウェーデン
国鉄SJの新幹線X2000で5時間かかる。

列車に乗り込むとチケット片手に自分の席を探す。
ボクの席には僕と同い年くらいのスウェーデン人の若者が座っていた。

 このスウェーデン人、スニーカーにジーンズ、ナイキのパーカーと
上から下までオレと格好がカブる。
向こうもそれに気付いたのか、横目でチラッと見て、視線を外した。
ふん、ふてくされた奴だ、僕はこいつをエミネムと呼ぶことにした。

列車の中はすいていたので、わざわざ隣に座ることもなかろう。
適当に空いてる席を探して座った、エミネムの斜め向かい。


列車が走り出すとすぐに、車掌が検札に来た。
この車掌、ユニークな人らしくて彼が何か大声でしゃべると
車内でドッと笑いが起こる。

ただ、言葉がわからないので僕だけが笑えない・・・。

検札もすませ、車内誌なんか読んで時間を過ごす。
この車内誌、何か東京のことが書いてあった。
写真は池袋のカラーギャングかなにかだった、なんて書いてあるんだろ。
スウェーデン語だから読めない。


 そうこうしながら1時間が経った。


 うぅ〜〜〜〜〜〜たいくつだ!!!!


窓の外はただただ、のどかな田園風景、このX2000、結構とばしてる
んだけど最高速は200km/h、うぅ〜ん、ディーゼル車だから仕方ない
けど、もっとスピード出せんのか!!日本の新幹線、輸出したろか?


エミネムのほうに目をやると、ふてくされた態度でウォークマンを聞いている。
だめだ、すげ〜暇、これだから昼間の移動は苦手だ。


この列車には、日本ではもう見なくなった食堂車が連結されている。
僕は暇つぶしがてら食堂車に向かった。

途中、通路に大きなわんちゃんが2匹寝そべっていた。
こっちの列車はペットもOKみたいだ、しつけもすごくよくされていて
日本のオバちゃんよりおとなしい。


踏んづけないように注意しながら食堂車に向かった。


ベアー?バーグ?

窓の外はひたすらスウェーデンののどかな田園風景がひろがるだけ。

食堂車、車両一両まるごと食堂だ。
でもキッチンが場所をとって、テーブル数は少ない。

列車の中ではスウェーデンクローナ、デンマーククローネ、両方使える。
僕はデンマーククローネを使い切っておきたかったのでパンと
ガーデンスープ、それにビールを頼んだ。

テーブルはいっぱいだったので、自分の席に
戻って食べることにした。


カールスベアの黒ビール、日本未発売?
カールスバーグってビールをご存知だろうか。実はコレ、デンマークはコペンハーゲンのビール。
日本では見たことないタイプのモノが置いてあったのでそれを選んだんだけどデンマークではカールスバーグではなくカールスベアーと呼ぶようだ。
一体どっちが本当なんだろう、英語読みとデンマーク読みの違いだけか?ちなみに人魚姫の像はカールスベアー財団が作った。

スープはとても美味しかった、ビールも美味しい。
窓の外にはあいもかわらずのどかな風景が流れている。

お腹もふくれてアルコールが入れば眠くなる。
5時間の旅だ、先は長い、僕は心地よい日差しの中、お昼寝することにした。





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