Travel Notes 4

朝からVSフランス訛り


目が覚めたのは現地時間で9時。
外は雨が少し降っている、窓を開けてみる、おぉ寒!!
こりゃ、Tシャツと薄手のジャケットだけじゃキツイなぁ。
とりあえず朝飯だ。
昨日のフランス野郎の英語がよく理解できなかったので
朝食の時間がわからない。
9時か微妙だな、朝食には間に合うだろうか。
とりあえず、フロントに降りてみる。
あれ?朝食なんかやってないぞ、もう終わったのか
でもこんな狭いとこで朝食がでるのか?
徹夜でレセプションに居たフランス野郎に聞いてみる。
朝食は終わったのかい?

 「NO!!ナンチャラカンチャラ・・・・」

相変わらずフランス訛りの早口英語がさっぱりわからない。
(フランス訛りじゃなくてもわからないのだけど・・・。)

このNOは終わったということだろうか、それとも終わったのか?と言う
問いに対する答えなのか?
わからんと言った顔をしているとセカンドフロアだと言った。
どうやら、終わってはないらしい、しかしセカンドフロアとは俺の
部屋と同じ階だぞ、あのフロアには部屋は4つ、食堂なんかなかった
じゃないか、上を指差してセカンドフロア?と聞くとノンノン、下だと言う。

あぁ〜なるほどね、地下2階ね。
あ・・・朝から疲れる・・・。

本当に合ってるのか?石の階段を真っ暗な地下に降りていった。
地下の2階に降りると、おぉ〜ワインの貯蔵庫のような、レンガ造り
のトンネルの断面のような地下室があり、テーブルが並べてあった。

なんだかお洒落なレストランといった感じだ。
席に着くとフランス人の女の子がクロワッサンとフランスパンが
が入ったバスケットを持ってくる。
飲み物は何にします?そう聞かれたのでコーヒーと答えると
また怪訝な顔、だからコォフィーと流暢っぽく答えてみる。
ダメだ、通じない・・・。
女の子のほうがしびれを切らしてカフェ?OR ジュース?
と聞いてきた。
カフェってあのミルクが入った甘ったるいコーヒーではないのか?
(甘ったるいのはカフォオレだろ!!)

僕はコーヒーはブラック以外苦手だ。
むぅ〜ブラック、アンドノーシュガー、ノーミルク、知ってる単語を
並べてみる。
彼女は「うん、カフェね」と言って引っ込んで行った。
違うんだけど、まぁいいや、とりあえず飲めれば・・・。

しばらくすると彼女がエスプレッソを持ってきた。
え?これカフェ?そう、フランスではカフェと言えば
エスプレッソを指すらしい。
コーヒーを飲む、イコールエスプレッソを飲むなのだ。
フランス手強し。

結果オーライ、「メルシー」と言うと彼女も笑顔になる。

今日はどこに行こうか、ガイドブックを見ながら考える。
まずは、昨日チラッと見えたノートルダム大聖堂に行こう。
そこから凱旋門に向けてあるけばその途中にルーブル美術館
コンコルド広場、シャンゼリゼ通り、凱旋門とつながる。

ノートルダム大聖堂から凱旋門まで約2.5キロだ、ちょうど
歩くのにいい距離。

その後、時間があればエッフェル塔に向かおう。
それでまぁ大体、おおまかにパリの名所を堪能ってとこだろう。


SUBWAY?METRO?

英語でサブウェイ、フランス語でメトロ

朝食を済ませ外に出る、めんどくさいので今夜もこのホテルに
泊まる事にする。
少し雨が降っているが歩けないほどのどしゃぶりじゃない。
それより、寒い、パリジェンヌの中にはコートにマフラーまで巻いてる
人もいる。
7月だよ?去年は猛暑で大変だったんじゃ・・・。
寒いので上着を買いたいが、今日は日曜日。
パリのお店はデパートから何から全て日曜日は休みらしい。
長袖のTシャツと薄手のジャケットで何とか我慢するしかない。
まぁ歩けばあったかくなるだろう。

ノートルダム大聖堂があるシテ島への路線図を頭に叩き込み
近くの地下鉄の駅にもぐる。

パリの地下鉄はメトロと読む。
営団地下鉄も最近、東京メトロに変わったが、メトロとはなんぞや?
地下鉄はサブウェイじゃないのかい?
調べてみると、英語でサブウェイ、フランス語でメトロなんだって、へぇ〜。

駅員にココへ行きたいと駅名を言うが通じない。
どうせまたフランス語読みなのだ、仕方ない、一個一個駅名を
アルファベットで読んでいった。
オーケーオーケー、駅員がチケットをくれる。

めんどくさいから今度からは自動券売機を使おう。
(自動券売機があるのにパリっ子は何故か使わない。)

パリの地下鉄は東京の地下鉄と違ってとっても車両が短い。
ホームも日本の1/3以下だ。車輪は札幌地下鉄のようにタイヤだ。
あと、もう一つ、ドアは開けるのも閉めるのも手動。
ボサっとしてると乗れないぞ!!

車両に乗るとアコーディオンの演奏、人形劇が始まった。
昨日のRERと同じだ、パリっ子は陽気だなぁ。

パリ発祥の地

ノートルダム頂上からの眺め、映画アルマゲドンで見たことあるでしょ?

セーヌ川の中洲シテ島

パリの町の始まりは、その昔ケルト系パリシー人(市名の起源)
がシテ島lle de la Cite'に集落を造った頃にさかのぼる。その後20世紀
にいたるまで数多くの侵略を受けながらもパリは自由と栄光を勝ち取って
きた。市の紋章である川と船は「たゆたえども沈まず」というパリの
歴史を象徴しているようだ。


メトロを降り、シテ島に着く。
シテ島のノートルダム大聖堂に向かう。
とても立派な中世建築の代表作だ。
ノートルダムの鐘の舞台。

ノートルダム大聖堂ノートルダム大聖堂の前の広場は
観光客とハトでいっぱいだ。
今、バカンスの時期だから世界中から
観光客が集まっている。

塔に登れるようなので登ってみよう。
町の概観をつかむためにも、まずは
高い所からパリ見物といきたい。

入り口から入ると中は真っ暗
ろうそくの灯りだけでとても幻想的な
雰囲気のなか賛美歌が聞こえてきた。
中央の舞台で昔あったドリフの早口
言葉のような格好をした少年達が
賛美歌を歌っている。
皆席につき聖書を手にその賛美歌に聞き
入っている。
そのおごそかな雰囲気に飲まれそうだ。



塔に登る階段を探すがこの聖堂内にはないようだ。
中を一回りすると同じガイドブックを持った日本人を見つける。
一瞬目が合い、お互い笑ってしまう。
その人によるとどうやら一度外にでた右側にあるらしい。

外に出て言われたとおりの場所に行ってみると長蛇の列。
ディズニーランドに並ぶのはお断りだがこの塔は是非にでも登って
みたい。

体力勝負

大聖堂の中、お寺でお線香をあげるように、ろうそくを供えていく。

 塔への入り口は一つしかない。
入場制限をしているらしく列はなかなか進まない。
待ちくたびれた子供がグズリ始める。
ダンディーなイタリアーノのお父さんがなだめお母さんが
あやすようにアイスクリームを買いに行く。
どこの国の子供も同じだ。

一時間くらい待っただろうか、ようやく中に入れてもらえた。
ここから先、塔の上までエレベーターは無い、ガイドブックによれば
相当キツイ階段には覚悟が必要と書いてある。

息を切らしながら階段を上って行く。
途中のおばさん達が若いあなた、先に行きなさいと言う。

もうそんなに若くもないのだが日頃ジムで鍛えてる成果を見せるぞ!!
なんてフンフン鼻息荒くしているうちに頂上へ出た。
鼻息荒くするのはいいが、僕は超が付く高所恐怖症なのでちょっと
高さにビビる。
綺麗だ、右手にモンマントルの丘、正面に凱旋門、やや左斜めに
エッフェル塔が見える。

伝説の怪物キマイラ(と言うらしい)越しのパリの景色は
映画アルマゲドンで見たことがある人も多いと思う。
上ってみて初めて気づいた。

一通り、街の概観をつかむと、塔を降りた。
よかった、天気もよくなってきたぞ。
このまま凱旋門まで歩くとしよう。


突然の雨

突然雨が降り出した。

ノートルダム大聖堂を出て最高裁判所の横を通りポン・ヌフ橋を歩いて
いたとき、パラっと雨粒が落ちてきた。
このポン・ヌフは16世紀にかけられたパリで最も古い橋だ。

空を見上げるとさっきまで晴れていた空がどんよりと暗くなってきている。
パラ、パラパラパラ・・・く、来るぞ!!

そう思って信号が青のうちにダッシュで駆け抜け軒下に避難した。
その途端大粒の雨、逃げ遅れて信号に引っかかった人は悲惨だ...。


同じように集まってきた人達とともに雨をしのぐ。
 雨宿りをしているとどこからともなくインド人が現れ、人々の前に
無言で折りたたみ傘を差し出しながら歩きだした。
 傘は欲しかったが、この人の足元を見た商売の仕方に腹が立って
買う気にはなれなかった、せめて何かひとことでも声をかけて売れば
いいだろうに、困ってる人の前で無言で傘を差し出すやり方は同じ東洋人として気持ちよくない。

 皆、同じことを考えているらしく彼の傘は売れない。
馬鹿だな〜その傘を俺によこしてみろ、おまえよりよっぽど売ってやるわ。
そう思ったが知ったことではない。

 この雨ももうすぐ止むであろう。
時刻は1時半、お腹がすいてきた。
50メートルほど行くとルーブル美術館があるけれど、ルーブル美術館
を見ようと思うと半日や一日ではすまないだろう。
芸術より腹だ、今回はルーブルはパス、近くでお昼をとって凱旋門に
向かおう。

勝利の美酒

アンニュイな午後?

フランスに行って、一番困るのは食事らしい、本場のフランス料理を
食べてみたいと思っても、なんとなくレストランの敷居が高かったり、
言葉の問題で敬遠してしまったりするのだ。

昔、イギリス人にヨーロッパの飯はまずいと言ったところ、フランスには
行ったか?フランスは美味いぞ、と言われたことがある。

是非是非、食べてみたいのだが、カラダのほとんどをコンビニと居酒屋
で構成されてる僕にはパリのレストランはいささか敷居が高い・・・。

 しかし、ここまで来てマックもあるまい、ボンジュールと挨拶をしながら
一軒のビストロに入る、どうせなら外で食べたい、テラスの席に座って
いいかと声をかけ席に付く。
 サービス係がメニューを持ってきたがやはりというか当然と言うか
メニューはすべてフランス語だ。
 (そんなことは計算済みだ、こんなことじゃビビらないぞ!!)
僕は冷静を装い、メニューを眺めていると

 「アペリティフ(食前酒)Ape'ritif はいかがですか」

と来た、ふふん、ここまでも計算済みだ、僕はそうねぇ・・・といった
感じでメニューに目をやり(実はすでに決めてある、ガイドブックには
キールKirを頼めば失敗はないと書いてある。)では、キールをくれ
と言う、まさに慣れたオトコだ。

 「料理はいかがいたしましょう」

続いて聞いてくる。
全て予定通り、たいがいのレストランにはMenu(ムニュ)と言って
セットコースがあるのだ。(ガイドブックで調査済み)

 「ムニュ スィル・ヴ・プレ」

「ウィ、前菜はいかがにしましょうか?」、よくわからないが適当に
メニューを指す、ウィと返事が返ってきて、ではメインはいかが致します?
と返ってくる。

 僕は「う〜ん、そうだな〜君のオススメはどれだい?」と聞く。
彼のオススメを聞き(何かわからないが)よし、それにしようと言う。

 「OK、メルシー」

 か・・・完璧!!
今の俺は完璧だった・・・隣に女の子が居ないのが惜しいところだが
隣に女の子がいたら間違いなく俺に尊敬の眼差しでウルウルだ!!
 ミスターパーフェクト!!ダンディー俺!!

料理も美味しかった、テーブルに担当のウェイターを呼び
「ラディシォン、スィル・ヴ・プレ(会計お願いします)」

 君のオススメは美味しかったよと余裕のコメントを残し
スマートに彼にチップを渡すと僕は店を出た。

 完璧だ!!今の俺は田村正和並にスマートだったに違いない。


 勝利の余韻に酔いながらルーブル美術館の横を凱旋門に
向けて歩いて行く。
 雨は相変わらず降ったり止んだりだが小雨なのでなんとか歩ける。

コンコルド広場を越え、シャンゼリゼ通りを抜けるとそこは凱旋門だ。






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