10日間世話になったザックとヨーロッパ鉄道時刻表。

 話し相手がいたせいか、帰りのフライトはさほど長くは感じなかった。

 機内で、ニッタが足のムクミ防止用タイツ、メディキュットなるモノを着用しよう
としていたのでお前だけ足がムクまないなんてズルいぞ!!オレにも貸せ!!
 と丁重に頼んだのだがヤダ!!あっかんべ〜と拒否して貸してくんなかった。

 ケチなヤツだ、おかげで成田に着く頃には足がパンパンにむくんでなかなか
スニーカーが履けなかった。


 成田空港は10日前と同じようにツアー客でごった返していた。
入国審査を済ますと、ダメもとでバゲッジクレームに並ぶ。


 僕らがアレだけ車を飛ばして出発に間に合ったんだ、まだ降ろされても
いなかった荷物が、ちゃんと積まれているとは思えない。

 出てくるか出てこないかはなんとも言えなかったが、どちらにしろ荷物を
預けたので並ばなければならない。


 LH714便MUENCHENの文字がモニターに映るとバゲッジクレームの
ベルトコンベアが周り始めた。
 ゴムのカーテンの向こうから一個、二個と次々にシールだらけの
スーツケースが現われる。
 

  っと、そこに・・・あった!!見覚えのあるザックが2個!!


 なんだ、ちゃんと積めたんだ、あの短時間でどうやって積んだんだろう?
ちょっとしたミラクルに思えた。
 
 ザックも無事出てきたのであとは税関を通り、帰宅するのみ。
毎度ながら思うのだが、税関って自己申告制、わざわざ申告するヤツいるの
だろうか?それに荷物検査、僕のバッグは一度も開けられたことがない。
 麻薬を手荷物で持ち込めば確実にすり抜けられると思うのだが・・・。


 税関をパスすると僕らは重いザックを背負って京成の切符売り場に行く。

 たった10日なのに日本語で書かれた駅名がとても懐かしく思ええる。
帰ってきたんだ、という実感がすごく沸いてきた。


 ホッとした気持ちと同時に寂しい気持ちで僕の胸はいっぱいになる。


 京成電車の特急に乗り込むと隅の座席にザックを置いた。
列車が走り出すとごみごみとした見慣れた日本の風景が見えてくる。

帰ってきた安堵感からか疲れがどっと襲ってきて眠くなった・・・。


  「なぁ〜、ニッタこれから帰ってどうすっか?」

  「そうねぇ〜お寿司でも食べに行きますか。」

  「そうだな、なんかオレ、醤油の味が恋しいわ」

  「やっぱ醤油って必要ね、日本人には。」


 地元の駅に着いたら、お寿司屋さんに駆け込もう。
クーラーの効き過ぎる電車の中で、僕らはそんなことを話し合った。


 窓の外には強い日差し、夏はまだまだこれからだ...。








                                      







 ここまで読んでくださった皆さん。
どうもお付き合いありがとうございました。

 たった10日間でしたが、とても内容の濃い楽しい旅が
出来たと思います。

 帰ってきてからの日本での生活は何かと忙しく、
日常を忘れて、また旅に出たいなぁと遠い海の向こう
の空を思い浮かべては毎日、妄想に耽っております。


 これを読んでくださった人の中には、ツアーじゃない海外旅行
ってなんだか敷居が高いな〜なんて思っている人もいらっしゃる
かも知れません。
 僕も1年前までそうでした。

 でもやってみると意外とどうにかなるものです。
英語がしゃべれるに越したことはありませんが、
しゃべれなくても僕のように旅をすることは可能です。。

 ほんのちょっと勇気を出して、日本から飛び出してみて下さい。
そこには、自国では味わえないような何かが待ってるはずです。

 ちなみに本編に登場してくるニッタは彼女ではありませんので
あしからず。


 

               October 05, 2004 rr(コソレン管理人)
                           










1997年12月10日
名古屋空港からロンドンのヒースローへ出発する男が一人。
ここから始まったバックパッカーのヨーロッパ滞在の記録。

入社3年目のサラリーマン。
会社に辞表を提出し,バックパッカーに転身した。
ロンドンからスタート,ヨーロッパを中心に計23カ国を巡った171日間。

〜コメント〜

25歳の時、会社を辞め2度目の海外旅行でいきなり171日間もの
ヨーロッパバックパックの旅に出たH134さんの旅の記録

今の僕と同世代のころの彼、仕事、将来、いろんなことに悩み、考えながら
さまざまな人との出会い、別れを経験し、171日間のバックパックの旅を通して
成長していく彼が感じたことを書き綴っていった記録。

その文章には彼の人柄が溢れ、見知らぬ国で一人旅することによって成長
していく様が描かれていて読んでいてとても胸が熱くなる。

本当に本当に、読んでいて胸が熱くなる記録です。

僕のバイブル的存在、文章もとても上手いので是非読んでみてください。
オススメはTravel Notes-バルカンエキスプレス(ラディミルとの出会い)




1989年6月、私は勤めていた会社を辞め、有り金のほとんどを持って、
初めてのヨーロッパへ旅立ちました。1年オープンの大韓航空の往復チケット
と、2ヶ月間のユーレイルユースパスを握りしめて……。

〜コメント〜

1989、会社に辞表を提出し、単身ロンドンへ留学。
その2ヶ月後、彼女は相棒と女の子二人だけで2ヵ月半のヨーロッパ
バックパックの旅に出る。
 20そこそこの好奇心旺盛な彼女達が、多様な文化に触れ、たくさんの人
と出会い、感動したり、たまには怒ったりする旅の記録。

上のボヘミアンロードと同じ時期、ヨーロッパ旅行について調べて
いたときにこのページと出会う。

2ヶ月半、支出を切り詰めてのヨーロッパの旅。
男とはまた違った視点から見た彼女の旅行記、女性ならでは
の節約術は読んでいて参考になるし、女の子だけでもこんな旅行
ができるんだという事を証明してみせている。
おもしろいのであっという間に読みきってしまった。(仕事中に)

今回のヨーロッパ10日間の旅を実施するにあたって
いろいろとアドバイスを頂き、有難うございました。

オススメはやはりヨーロッパ一周貧乏旅行記








 有給超特急を最後まで読んで下さった
皆様に最後にプレゼントのお知らせがございます。


スウェーデン映画『ロッタちゃん はじめてのおつかい』

           ではなく・・・

スウェーデン旅行『ニッタちゃん はじめてのおつかい』


 僕の友人で海外旅行ウルトラ初心者のニッタ(27歳彼氏ナシ)
が書く、ストックホルムアーランダ国際空港までのドキドキの旅行記(無修正)。









  Index