Travel Notes 10
ベルリン大聖堂、僕はその迫力に圧倒された。

ベルリンの街

ベルリン大聖堂、扉を開けたときのその迫力に圧倒された。

人もまばらなその聖堂内には大きなパイプオルガンがあり、僕が
入ったときには丁度、誰かが何かを弾いているところだった。

 その曲が何かはわからなかったが、その音は大きな聖堂内に
響き渡りとても荘厳で神聖な雰囲気となり僕を圧倒した。


 大聖堂を出るとテレビ塔を目指して歩く。
テレビ塔はアレクサンダー広場駅に建っている、旧東ベルリンの
ランドマーク的存在だ。

エッフェル塔がムリだったのに上れるのか?

行けるさタブン...because上りのエレベーターがスケスケじゃないから。

この手のタワーにありがちな、あのガラス張りのスケスケエレベーターが苦手。
昔、出張で行った名古屋でテレビ塔に上った?上らせられた?時、
途中のあのスケスケエレベーターで立っていられずにしゃがみこんで
しまって、フンッ、情けないわね、と女性の同僚に言われたこと有り。


暗く薄暗い東ベルリンの街にそびえ立つテレビ塔駅前のネットカフェに立ち寄ったあと、意を決してテレビ塔にあがる列に並ぶ。

我ながらなんで並んで金を払ってまで苦手な塔に登るのか若干、疑問ではあったが、ベルリンの街を上から見ておきたい。


白人ばかりの列に青い顔をした東洋人が一人並ぶ。
これからあいつ自爆テロしますって言ったら皆信じるだろうな・・・。


僕の予想通り、エレベーターの中から外の景色が見えないので
楽勝!!かかって来い、世界のタワー!!(すいませんウソつきました。)



街を歩いていて、薄々感じていたのだが、タワーに上って上から街を
見下ろすとベルリンの街が他のヨーロッパの街と若干違うことに気付く。

なんと言うか、街全体が新しいというか、いや、決して新しくはないのだが
古い建物があまり目に付かないのだ。

街のほとんどが百年以上の歴史を持つ建築物から成る他の
ヨーロッパの都市に比べて、ここベルリンの建物は建設されてから
せいぜい、4,50年がいい所だろう。


 これは何故か?その理由を僕なりに推測してみた。
 おそらくこれは第二次大戦と大きく関係しているのではないだろうか。
侵攻を受けた国の都市はどこも大きく破壊される。
 同じ敗戦国の日本も偶然被害を免れた京都(京都は原爆の効果検証予定都市)
を除いては古い建物は破壊され建築物の大半は戦後のものだ。
 おそらく度重なる連合国の空襲とソ連軍侵攻による市街戦でほとんどの
建物は失われ、戦後新たに建てられたものばかりなのではないだろうか?


 これはあくまで僕の推測だがおそらく間違いでは無いだろう。


めずらしく難しい事を考えて知恵熱出た、宿に帰ろう・・・。


ウィンナーは何処?

ベルリン人のことをベルリナーと言うらしい。

宿に帰り着いた時点で時間は4時だった。

ワタナベさんが居たがまだ飲みに行く時間ではない。
ベルリンの感想なんかを彼と話して他に行くとこはないか聞いてみるが
取り立てて行くようなとこは無いらしい。

僕の持っているガイドブックにもパリの街は20ページに渡って割いて
あるのに対し、ここベルリンはたったの6ページ、街を1日歩いた印象だけど
華やかなパリとは対照的にベルリンは何か暗く、とても寂しい印象だった。

町中が観光客で溢れ、活気に満ちたパリと比べ、ベルリンは一言で
言えば旧東側の都市といった感じで何か人々も暗く感じられた。

宿を出て壁博物館に行ってはみたが、ドイツ語表記で何もわからなかった。

何かこの街はとても寂しい、僕はどうにも居たたまれなくなって宿に
帰ってパァ〜ッと飲みに行くことにした。

 ご自慢のウィンナーをこれまたご自慢のドイツビールで流し込んで
やろうじゃないの。

 再び、宿に戻るがワタナベさんは居ない、軽く約束はしていたが
時間を決めていたわけでもないし、携帯を持ってるわけでもないので
連絡もつかない、仕方ない、僕は一人夜のベルリンに繰り出した。


 日が暮れかけて薄暗くなったベルリンの街を地下鉄を使わずに
アレキサンダー広場駅に向かって歩き出した。
 暗い裏通りで数件、バーらしきものを見つけたがあまり客も入って
いなくなんとなく駅まで行くことにした。
 途中シャンプーがきれてたことを思い出して閉店間際の商店で
買ったりしながら駅に向かう。

 駅に着いてはみたが、特別そんなお店があるわけでもなかった。
暗くなった駅前の広場を宛ても無く歩いていると女の子に声をかけられた。

 公衆電話で電話を掛けたいけど小銭の持ち合わせがないらしい。
20セント(30円)持ってないかと聞かれたがあいにくポケットには10セントコイン1枚しか無かったので、それを渡した。

結構かわいくて丁寧にお礼を言う感じのイイ子だった。

 その後もふらふらとあてもなく歩くがどうにもウィンナーを食べさせて
くれそうなお店が見当たらない。
 そもそもウィンナーってどんな店で食べるんだろう?

 オジサン達が美味しそうにビールを飲んでいるバーを覗いてみるが
誰も食べ物らしきものは食べていなかった。
 ヨーロッパ人は一切のつまみを食べずただひたすら飲む。
フィンランドでもそうだったので、たぶんここでも期待できない。

 困って駅構内を歩くとウィンナー屋を見つけた。
ここで飲めるか?と聞いてみたがダメだと言う、どうやら単なる肉屋
にココで飲めますかって言ってるようだ、俺の馬鹿・・・。

 いったい、どういうとこでウィンナーが食べられるのだろう?

困り果てていると、アジアフードのお店でさっきの女の子が一人で
焼ソバを食べてるのを見つけた。
友達と連絡がつかなかったのだろうか?
僕は彼女の向かいの席にすわるとドイツのウィンナーが食べたいんだけど
どこに行ったら食べれるんだい?と聞いてみた、ウィンナーってなに?
え?予想外の答えが返ってきた

あれ?ウィンナー知らないの?ドイツ人でしょ?キミ。
う〜ん、それじゃあソーセージは?

それもわからないわと言う。

 語彙の乏しい僕にはウィンナーとソーセージ以外にそれをどう形容
するのかわからなかった、一体なんだって言うんだ?
 その後も身振り手振り加えて一生懸命聞いてみたが彼女は申し訳
なさそうにわからないわと言うばかり。
 むぅ〜お手上げだ、ドイツ人がウィンナーでビールを飲むというのは
ウソか?ファーストフード店にしか置いてないぞウィンナー。
それも名前はホットドッグ・・・。

 彼女とこのまま中華を食べても楽しそうだったけど、あくまでも僕の
目的は本場ドイツでウィンナーを肴にビールを飲む。

 これをやらずしてベルリンを去ることはできん!!


 ウィンナーの為に、カワイイ彼女を置き去りにして、さらにウィンナー
を出しそうな店を探してまわる。

 ナイ・・・ナイ・・・ナイゾ!!こうなりゃ丸大でも伊藤さんでもいいから
食わせろコンニャロ!!最後の賭けで置いてありそうなレストランに
飛び込む。

 席に着くとメニューを見るがウィンナーの文字はない・・・。
ウェイターにウィンナー、ソーセージはないか?と尋ねるがまたしても
通じない・・・仕方なく今夜の食事はマルゲリータ・・・。


       ドイツに来て、イタリアンピザ・・・無念!!


VS U.S.MARINES

ブラジル人とビールのビンのふたで遊んだ、言葉が通じないのに結構白熱!!

 しょぼくれて宿に帰るとワタナベさんが居た。
彼にウィンナーのことを話すと笑われた・・・。
 どうやらドイツではウィンナーやソーセージとは呼ばずにヴルスト
と言うらしい、ウィンナーといくら言っても通じないよって、ホントかよ。

 あとで調べてみるとウィンナーはオーストリアのウィーンで作られて
いたソーセージのことをウィンナーと呼ぶらしい。

 ソーセージという言葉はラテン語だったり諸説あるようだけど、どっち
にしろドイツでは一般的ではないらしい。

 皆さんわかりましたか?ウィンナーはドイツ語で「ヴルスト(Wurst)」ですよ!!
ちなみに下手に発音間違えると「ブルスト(Brust)」(乳房)となるので
場合によっては引っ叩かれるかも知れません、自己責任でお願いします。


 意気消沈した僕は宿でワタナベさんと飲みなおした。
たまたま同じテーブルに座っていたブラジル人と3人で飲むことになった。
 まさにインターナショナルだ、共同の宿はこういうのが楽しい。

僕は、いちいちワタナベさんの通訳がないとブラジル人の彼とコミュニケーション
が取れないのだけど、ブラジル人独特のラテンのノリのせいか結構盛り上がる。
 特に、彼がやりだしたビール瓶のフタを使ったゲームに3人大熱狂!!
  (上の写真のようにふたとふたの間を通すふたサッカー???)

勝負は一進一退で10勝8敗、サッカー王国ブラジル相手に大金星!!

 テーブルの一角で盛り上がっているとガタイのいいアメリカ人が
入ってきた、彼はU.S.マリーンズ、つまりアメリカ海兵隊員で沖縄にも赴任した
こともあるという。

 アメリカ海兵隊が如何ほどのものか、酔った勢いで腕相撲が始まった。
 ジャパニーズビジネスマン VS アメリカ海兵隊員、なんとも間抜けな
組み合わせだが当人達は本気である。

 で注目の結果は!!

 なんと意外なことにあっさり勝ってしまった・・・。
海兵隊の訓練より駅前のジムのトレーニングのが効果的なのか?
 悔しがるマリーンズは握り方を変えてリベンジ、しかしまたしても
俺の勝ち。

 しかも奴の言い訳が、俺が本気を出すとお前など目じゃないから
手加減してやったのさ・・・。
 おまえ、リベンジしてきてそりゃないだろ・・・。

 こうなりゃコテンパンにしてやるか?と思ったけど

これ以上やると国際問題に発展しかねないので脳みそ筋肉君は
ほっといて僕らの宴は朝の4時まで続いた。


明日はコペンハーゲンまで行く予定なのに・・・。





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