Travel Notes 1
海外経験?



 2004年7月10日成田空港は海外へのツアー客でごった返していた。
そんな中、僕はひとり買ったばかりの大きなバックパックを背負ってルフトハンザドイツ航空のチェックインカウンターに並んでいる。

 目的地はヨーロッパ、とりあえず行きのチケットはパリ、帰りのチケットは10日後にフィンランドのヘルシンキから取ってある。
でもその間の予定は全く未定、どこの国に行こうか、どこに泊まろうか今のところ、何も決まっていない。
 いろいろと不安はあるが、この全く未定が最高に楽しい!!
 何日の何時にどこに行ってどこに泊まりますなんてあらかじめ決められてる、がんじがらめのツアーなんてのはどうも性に合わない。

とりあえず決まっているのは今日、成田まで送ってくれたニッタ君と15日にスウェーデンのストックホルムで再会する予定。


 今回なぜ、ヨーロッパかと言うと去年、ふとしたきっかけで訪れたヨーロッパでのショックがあまりにも強烈だったから。
 当時、海外旅行経験なんて半年前に至れりつくせりのツアーで友人とアメリカに行ったっきりだった。そんな僕が、なぜか、飛行機のチケットだけを握り締めて、宿も取れずにヨーロッパに放り出される羽目になったのだからその経験は強烈だった。
 あの時、一年後にかならず英語を勉強して苦労したヨーロッパにリベンジを!!・・・と心に誓ったのだった。


まぁ・・はっきり言って、あれから全く英語の勉強なんてしてないからむしろ中学時代より年を一年取った分、英語力は落ちたと思われる・・・。


そんなこと言ってもホントは話せるんでしょ〜?
なんてよく言われるけどこれがまったく話せない。
 ぶっちゃっけ、This is a pen.の中学1年レベル。
恥ずかしすぎてTOEICの点数なんて言えない・・・。

 昨夜、行徳の居酒屋でストックホルムでの再会を誓ったニッタ君もどうやら同じレベルのようだ・・・。
彼女も海外旅行経験、ほぼ無し、そんなヤツを俺がそそのかして連れ出したのだ、5日後に行った事も無い国の見知らぬ空港で合流する予定、携帯もないのにそんなことが可能だろうか?むしろ、飛行機の乗り換えってどうすんの?って言ってるニッタ君と、This is a penの俺で大丈夫ですか?

   「アンタ、あたしが空港着いて居なかったらね〜!!」

   「いなかったらナニ?」

   「あたし泣くわよ!!」」

 ど〜ぞ、泣いちゃってください!!


成田のコツ?

 搭乗手続きを済ませ搭乗券を受け取った僕は、次にATMにお金を下ろしに行った。財布の中には2万円、カードがあるのでこれだけでもなんとかならなくもないが、ひとまずまとまった現地通貨を持っていたほうが便利だ。

 3階出発ゲートのATMで現金を引き出し、空港内の両替所に行く。しかし出発ゲートの両替所はこれから海外に向かう人で長蛇の列だ。
 ここに並ぶと最低20分は待たされると思われる。
並ぶのが死ぬほど嫌いでディズニーランドには二度と近づかないと心に決めてる僕にはちょっと勘弁してほしい。

 そこでちょっとしたコツなのだが、
両替所は何も3階出発ゲートだけじゃない、1階到着ゲート、つまり海外
から日本に帰ってきた人が外貨を日本円に換えるところにも両替所があるのだ。
3階では20分は待たされる両替所もここはガラガラ待ち時間ゼロ。
オススメである。


 当座の目的地はフランスなのでユーロを少々と、今回トラベラーズチェックも
買ってみた。
 よくわからないのだが、トラベラーズチェックとは小切手みたいなもんで(小切手もよくわからん)あらかじめ一箇所にサインをしておいて、使うときにもう一箇所
サインをすると現金と同じようにして使えるらしい。
紛失したときに本人でないと使えないのと再発行が効くのでリスクが少ない
便利なものとのこと。
 どこまで使えるかどうやって使うのかさっぱりだけどとりあえず買ってみる。
ここですぐサインをしなければならないのだけれど(サインをしないと他人が先に
サインをしたら本末転倒)パスポートと同じサインをしないとトラブルの元だとガイド
ブックに書いてある、そんな記事を読む前にサインしちゃったよ・・・。

あとで痛い目に遭うこととなる。


いざ出国!

フランクフルトまでひとっとび。

両替を済まし100ユーロ札を一枚靴底に忍ばると、搭乗ゲートに向かった。
この時点で出発時刻30分前、いつもながらギリギリだ、自分の時間の
ルーズさにはもう天性のモノ。
海外の搭乗ゲートで何度名前を呼び出されたことか・・・。
いつもゲートにはダッシュだ。

金属探知機を通過し、次は出国審査、しかしそこには長蛇の列。
そりゃそうだ、両替所すらあの列だ、出国審査で並ばないわけがない、
この時点で残り20分・・・ヤバイ・・・ま、間に合うのか?
 そういや、5月にタイに行ったときも出発20分前でギリギリ。
前に並ぶ外人3組に頼み込んで割り込ませてもらったっけ。
あの時は間一髪間に合ったが、毎度、毎度のことながら冷や汗モンだ・・・。

おい、早くしろ!!頼むよ!!
ちくしょ〜、一番すいてると思った俺の列には怪しい外人グループが
ひっかかってる・・・・ムキィ〜!! イライライライラ・・・。

 ハラハラさせられた割にはポンポンはんこ押すだけでスムーズに流れていった。

自分の番を済ますと、駆け足で機内に乗り込み、ザックを放り込み予め指定
しておいた窓際の席に座り込む。

フランクフルト行きのルフトハンザB747-400はほぼ満席。
ラッキーなことに僕の隣の席は空席だった。
3列シートの窓際は僕、その隣は空席、そして通路側のシートに
日本人の30代の女性が座っている。


基本的に国際線では窓際ではなく通路側の席が人気が高いようだ。
長時間のフライトではトイレに立つことも多く、その都度隣の席の
人に立ってもらう必要がある為、わずらわしさはかなりある。

それでも僕は窓際、そして翼にかからない席を指定する。
飛行機に乗るときはかならず窓際、それも翼にかからない位置。
トイレがわずらわしくても異国の地を空から眺められる席が好き。
(実際には国際線は離陸して数時間で窓を強制的に
閉められるのでほとんど外を見ることはできないのだけれど・・・。)


窮屈なエコノミークラスでの長時間の飛行はかなりつらいものがある。
体の小さい日本人でさえもかなりキツイ。
この時ばかりはビジネスクラスが取れない自分の甲斐性の無さをいささか
呪う時である、一度でいいからビジネス乗りたい。

 でもビジネスに乗れなくても、少しは楽になる裏技がある。
ちょっとばかり紹介すると、一つは非常口の前、スチュワーデスさんと向かい
合わせの席をリクエストするのだ。
これはべつにスチュワーデスさんとお話したいからじゃなくて
(そんなオイシイオマケもあるけど・・・。)
スチュワーデスさんの向かいの席は前席がない、つまり足を伸ばし放題なのだ。
これは結構助かる、まっさきに疲れてくるのはやり場のない足だからだ。
 ただし、その際、窓際を選ぶときは注意すること。
窓際は非常口のドアが張り出して通常の席より足元が狭い場合がある。


食事のたんびに、となりのお姉さんの残した機内食をもらったりしてる間
にもルフトハンザB747-400はシベリア上空を目的地フランクフルトへ向け
順調に飛行していった。






               Index Next