Travel Notes 5
お馬鹿ハイテク素材ヒートテック

箱庭のようなトレンチーンの街、お城より望む。

 今回の旅は一ヶ月と長い、バックパックの容量と歩き回ることを考えると、
荷物は極力減らしたい、しかしヨーロッパの冬は寒さが厳しいので防寒をしっかり
していかなければならない。

 この矛盾する2つの問題を解決すべく、僕はハイテク素材に頼ることにした。
ユニクロのヒートテックシャツをチョイスしたのだ。

 このヒートテック素材、人間のカラダから発生する水蒸気を吸収して熱に変換
し、素材自体が発熱するという優れものだ。

 こいつがあれば、かさばる防寒着をいろいろ準備せずとも最小限の衣類で
しっかり防寒出来る、そう考えた。

 まさにハイテク立国ニッポンのバックパッカーだ、我ながら素晴らしい!!

ところがこのハイテク素材ヒートテック、とんでもないお馬鹿素材だったのだ。
景色のいいところというのはたいていの場合高いところにある。
しかし、ヨーロッパでは日本のようにそう高いところにあるからじゃあハイ、エスカ
レーターとか、そんなドラえもんみたいな便利ツールがホイホイ出てこない。

 このトレンチーン城も例に漏れず山の上に建っていた。
しかも登る手段は徒歩のみ。

 上の城から撮った写真を見ていただければおわかりになるかと思うが結構
な高さまで歩いて登らなければならない。城という建物の戦略的な役割を考えれ
ばそうそう簡単に登られてたまるかというのは当然なのだが結構これが重労働
なのだ。

 いくらヨーロッパの冬が寒くてもここまで登るとカラダは暖まる。
いや、むしろ暑くて汗をかく。

 ところがだ、このヒートテック素材、この汗にモ〜レツに反応して発熱しやがる
のだ!!
 汗というのは暑いからかくのであってイチイチご丁寧にシャツが発熱してくだ
さらなくても十分暑い状態なのだ。
 それなのに、このバカハイテク素材、追い討ちをかけるようにどんどん発熱し
やがる。

 人間のカラダから水蒸気が一番発生するときは暑い時だ。
平常時、人間のカラダから如何程の水蒸気が発生してるか知らないが微々たる
ものであろう。
 つまりこのバカ素材、寒いときにはたいして暖まらず、暑いときにはその持てる
性能をフルに発揮してさらに暑くしてくれるというとんでもなくおバカな素材なのだ!!

 それに気付いたのはヨーロッパに来てしまってから・・・。

この先、高いところに登るたびにあまりの暑さと腹立たしさにキレそうになった。


ケチャップゥ〜?

ライトアップされたトレンチーン城

 夕食はなんとなくイタリアンレストラン。
スロバキアは物価が安い、ここは田舎町だから特にそうだ。
生ビール一杯80円、ピザハットで売ってる大きさのピザ一枚で230円。

 生ビール3杯と、大判ピザ一枚食べてだいぶお腹もふくれた。
時刻はまだ7時、宿に帰っても特にすることもないし、ここでチビチビお酒でも
飲もうかな。そう思ってメニューをもらった。

 当然のことながらここのメニューはすべてスロバキア語で書かれている。
惜しいことに僕はスロバキア語がまったく読めない。
 なんとなくピザくらいは読めたので最初のオーダーは出来たのだが
さてつまみをどうするか・・・。

 メニューを見なくてもさすがに頼めた赤ワインを飲みながら、スロバキア語
で書かれているメニューを眺めてみる。

 書いてある位置関係と、金額で酒のつまみらしき欄を見つけた。
オリーブと読めなくもないものを見つけたので、とりあえずコレをオーダー。

 ビンゴ!!オリーブでした。
 辛口の赤ワインとオリーブがいい感じに合って中々よろしい。

 いい感じで赤ワインを3、4杯飲み干したところでオリーブがなくなった。
さて次のつまみはどうするか・・・またオリーブでも良いのだが、また同じものを
頼むのも芸が無いな。
 さりとてメニューはわからない。
まぁ、適当に指差して頼んでみるか、肉が出るか魚がでるか、それは来てから
のお楽しみ。

 じゃ、全く読めないコレをオーダーしよう。

 カウンターの向こう側にいる女の子に自信満々でメニューを指差しコレ頂戴!!
と言ってみた。

 すると店員の女の子、ビックリした顔して


                え?!ケチャップ?


飲ミニケーション

スロバキアの友達。

 ピザ食べて、お酒も飲んでいい気持ち。
街の中央にある広場のベンチで夕涼みをしていたら金髪の女の子に声を
かけられた。

   「どこから来たの?一緒にお酒飲まない?」

 さすがオレ、外国でも?モテるわ。
相手の女の子は一人、お、コレはおいしいシチュエーション♪と思ったら彼女、近くにいた友達を呼び出した。

 なんだ・・・二人っきりで飲むんじゃないのね・・・。
本来、外国人に、しかも女の子に声をかけられたら裏に何かあると思ったほうが
いいのだけど、お酒も入ってるし、そんなこと有り得ないくらい田舎なので、今回は
素直に誘いを受けることにした。

 案内されるがままに彼女達二人について行くと、とある地下のバーへ。
そこではすでに彼女達の友達が何人かで飲んでいた。

 いきなりこの街ではかなり珍しいであろう東洋人が現われたので彼らは最初
驚いていたけど、すぐに皆、自己紹介して僕を受け入れてくれた。

 何を飲む?と聞かれて、すでに結構飲んでいたのだけど、またビールを注文。

 飲み物が運ばれてきて皆がお金を払っていたのでお金を出そうかとすると
彼女らが一斉に、あなたはいいのよって止めに入った。

 えぇ〜おごりですか?

 彼らはここトレンチーンの学生、同じクラスの友達だという。
学生におごってもらうなんて・・・と思ったけど、ここは素直に頂こう。

 僕は本当に英語がほとんどしゃべれない、彼女達も基本的に母国語は
スロバキア語なので英語はあまりしゃべれない。

 それなのになんだかこの輪に溶け込んで皆で楽しく飲めるっていうのは
酒の力がなすわざなんだろうなぁ。

 彼らは日本人と話をするのは初めてらしく僕に興味津々。
それに僕のこと22,3歳だと思ってたようだ。

どこの国の若者もやることは同じらしい。
2、3時間たったところでウォッカ一気飲み大会が始まった。

 自慢じゃないが酒は結構いけるクチである。(酒癖悪いけど・・・)
酒は強ければ強いモノほど好きだ。

 ここはスロバキア人に負けてられない、九州男児の意地を見せてやる。

かかってこんか〜い!!とばかりに5、6杯飲んだところで負けました、
日本人って強いのね・・・。

と全員ギブアップ、ワハハ日本人の面目を保ったぞ。

すると目の前に頼んでもいない酒が運ばれてきた。
何コレ?頼んでないよ。と店員に聞くと、あちらのテーブルのお客様から・・・と。

僕の飲みっぷりに感心した?2,3個離れたテーブルの客が僕にお酒をおごって
くれたのだ。

ビールとワインとウォッカでだいぶ壊れ気味だったので、おっしゃ〜お前らも
こっち来て一緒に飲め〜!!

結局、言葉もわからないのに夜中の3時まで、8時間も彼らと飲んだのでした。

途中、女の子の一人に、初めて会った日本人ってどう?って聞いてみた。

とってもオープンでいい感じだわ♪

ありがと。







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