Travel Notes 10
アキモト

ブレッド城入り口、もう城のぼりは疲れる・・・。

スロベニアの首都、リュブリャーナからバスで1時間半。
ガイドブックに書かれている”絵のように美しい”、という言葉に惹かれて
ブレッド湖までやってきた。

バスを降りてユースにザックを預けると手始めに僕はブレッド城に登った。
そこに居たのは・・・。

            アキモト(19歳、鹿児島人)

おいおいおい・・・またかよ。
ヤツに会うのはウィーン・ブラチスラバ間の列車、2日前のザグレブとコレで
3回目。

話を聞くとどうやら昨夜も同じ宿に泊まってたらしい、当然今夜の宿も同じ。
ヤツとの偶然はコレだけではない、後にわかるのだが、僕とアキモトは意外な
共通点で結ばれていたのだ。

この男と知り合ったことが今後の旅の行く末に大きな影響を与えることとなる。


恐怖ナチス・ドイツのマス

ナチスが連れてきたマス、マジででか過ぎ!!

 ここブレッド湖のマスは、第二次大戦中、駐屯したドイツ軍によって
持ち込まれたそうだ。
そのマスが50年も経って繁殖したのか、今ではブレッド湖の名物料理に
なっている。
基本的に名物と聞けば食べておきたいタチだし、なにより1週間、内陸の国
ばかり旅していたので魚料理にお目にかかってない、日本食に少しは近い?
魚料理が食べたいと思っていたとこだった。

ユースの近くにオススメのレストランがあるというので僕とアキモトはマスを
目当てにそのレストランに向かった。

店内に入り、ビールを注文すると、メニューを広げた。

メニューはスロバキア語と英語の併記だったが、今回は英国留学経験を持つ
アキモトがいるから問題ない。(はず)

さすがは留学経験者、さっそくメニューの中からブレッド湖名物、マス料理らしき
ものを見つけた。

恐らくコレが例のマスだろう、僕とアキモトの意見は一致した。

ただひとつ、二人とも気になったことがあった。
メニューの横に書かれた”キロいくら”って何だ?

ウェイターに、コレがマスかい?と尋ねるとそうだ、と言うので早速それを
オーダー、調理の仕方はどうする?と聞かれたので焼いてくれと頼む。
ガーリックはかけるか?と聞かれたのでそれも頼むと言う。

無事に名物のマス料理”Postrv na zaru”パストゥルフ・ナ・ジャルを注文
して一段落。

20分ほどビールを飲みながら談笑。

なんだ?たかが魚一匹焼くだけでなんでこんなに時間がかかるんだ?
と二人でブーたれていたとき、ヤツが運ばれてきた。

皿に盛られたマス料理。

テーブルに置かれたその姿を見て僕らは驚愕した。

で・・・でけぇ〜・・・・・!!

上の写真を見ても比較対象物がないのでわかり辛いと思うが
驚くほどの大きさだった、1匹30センチはあろうかと思われるたっぷりと
太ったマスが大きな皿の上にどんっと、それも2匹・・・。

アキモトが言った。
「しゃ・・写真撮っていいっすかコレ?」

「う・・うむ、許可する...というかコレは撮らないかんやろ。」

僕らは順番に明るい部屋までカメラとマスを持って行き
写真を撮ったのであった...。
傍から見たらあまりにアホな行動だがそれくらいこのでかさには驚いた。

さっそく食べてみると結構美味い。
コレ結構いけますよ、とアキモトも言う。

    〜10分後〜

「おい、お前全然箸すすんでないぞ。」
「食べてマスよ!!」
「そんな嫌な顔して食うな、もっと美味そうに食え。」


あまりの量に二人共もうウンザリ・・・キロいくらってこういう事だったのね。
ステーキだってグラムいくらだぜ、いくら一週間魚食べてなかったからって
キロ単位で魚食わせなくてもいいよ...。


翌日、生まれて初めて胃もたれを起こしました。


イタリア行っとく?

鳥とたわむれのどかだなぁ〜

昨夜はマスの後、ユースの同じ部屋のオーストラリア人達に誘われて
アキモトと6人で飲みに行った。
飲みに行ったのはいいのだが、マスが効いてて胃がビールを受け付けない。
アキモトも同じらしく生ビール2杯ほど飲んだとこで僕らはユースに戻った。

戻る途中、カワイコちゃんがやってるバーを見つけたのでそこに行こうぜと
アキモトを誘うがもう飲めませんと断られ一人で行った。
なんだかんだで常連のスロベニア人と閉店まで飲み明かしてしまい
翌日軽く二日酔い。

二日酔いだったのもそうだが、ブレッド湖がキレイで気に入った。
何より1週間移動しっぱなしで疲れていた。

今日は1日、ここブレッド湖でのんびりしよう、そう思った。
僕はこの日を一週間の旅の疲れを取るための休息日とすることに決めた。

さすがは田舎出身、と言うか同郷出身、アキモトもここが気に入ったらしく
同じくもう一泊することになった。

午前中、二人で3時間かけて湖を一周、昼は昨日のレストランでマス以外
の料理を頼み、午後は昼寝してのんびりと過ごした。

夜、飯を食った後、明日どうする?と聞いてみた。
僕は再びクロアチアに戻ってボスニアに行くつもり。
おまえも行くか?と聞いてみたがそんな危険なとこには行きたくないとおっしゃる。

んじゃどうすんの?と聞くと明日はイタリアのベニス(ベネチア)に行くそうな。

イタリア?ベニス?そういやイタリアって隣か・・・。
イタリアって行ったこと無いな・・・なんだか隣まで来て行かないのは
もったいない気がする。

ベニスって近いのか?と聞くと近いですよ、電車で3時間くらい。
ヤツの持ってるガイドブックを見せてもらうとなるほど近い。
なによりベニスのページを見て驚いた。
なんだコレ?この町は一体どうなってるんだ?

水の都ベニス
町自体が大小いくつもの島で出来ていて町の交通機関は水上バスのみ。
車はおろか自転車すら一台も走ってないという。

車が走ってない町ってどんなんだ?
ちょっと興味が湧いた、イタリアも見てみたかった。
それにアキモト、こいつ19歳とは思えないほど落ち着いていて一緒にいて
なんだか居心地が良かった、結構、気が合った。

「ヨシ、本場のピザを食べにおまえと一緒にイタリアに行こう!!」
そんな感じで急遽予定外のイタリア行きが決まった。

それにしてもこのアキモト、だいぶ変わり者だ。
旅をするのにガイドブックの類は一冊も持たない。
というかガイドブックとかをイチイチ読むのがメンドクサイらしい...。

それじゃどこを見ていいかわかんないし、見てもそれが何か
さっぱりわかんないじゃんか、と思ったがそんなことは気にしない。

じゃあ今持ってるガイドブックはどうしたかというと、途中で知り合った
旅行者が見かねてガイドブックをくれたそうだ。

つーかこいつが持ってるイタリアのガイドブック、5年前のじゃん・・・。
価格表示が全てリラで書かれてるし・・・。

ユーロに切り替わってもう何年だよ・・・。

こんなおおざっぱなヤツと、リラ表記で書かれたガイドブックなんかを頼りに
果たしてイタリアまで行ってもいいのだろうか...一抹の不安は残る...。






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